野球肘Q&A

1.症例5

高校生の後方障害。

画像(↑)は肘関節後方の長軸です左右の画像(↑)(走査位置)に若干の差があります事をご了解下さい。右肘関節 肘頭の中枢側に不連続(右下方向矢印の先)、および低エコー域(上方向矢印の先)が確認できます。
シャドーピッチングでのフォームチェック(注1)にて、リリース直後の強い肘関節完全伸展動作(注2)が確認されました。 完全伸展によって上腕骨肘頭窩と尺骨肘頭でのインピンジメントが発生し、後方型野球肘に至ったと推察されます。 症状の寛解(*かんかい)と同時に、投動作の改良も必須となります。

 

注1)シャドーピッチングでのフォームチェック。
野球選手のフォームチェックにおいて、シャドーだけでは本当のフォームを導く(引き出す)事は出来ませんが、簡易的に行う場合や早急にチェックをしたい場合、さらには症状が強い為にボールを使ってのチェックが出来ない場合に実施しております。 ボールの有無・スパイクシューズの有無・ピッチャーの場合はマウンド(前下がり傾斜地)使用の有無などによってフォームは変わります。

 

注2)リリース直後の肘関節完全伸展動作。
内野手などが短い距離を投げる場合には特に大きな問題にはなりませんが、ピッチャーや遠投では注意が必要です。 内野手が短い距離を投げる場合、正確性(コントロール)を高める為にスナップスロー気味になることが多いのですが、その結果、肘関節の完全伸展局面の発生が目立つ事になります。

 

*寛解(かんかい):
 病気の症状が軽減またはほぼ消失し臨床的にコントロールされた状態。治癒とは異なる。