野球肘Q&A

はじめに

いわゆる「野球肘」は、手術にいたる割合が少ない事や、下肢・脊柱の外傷障害と比較して日常生活に影響が出にくい事、将来変形性肘関節症になってしまってもかばいながらであれば日常生活はどうにか過ごせる事などによって社会問題になりにくいと言う現状があると思います。

 

しかしそれで良いのでしょうか? 当然よくありません。 場合によっては野球が出来なくなるどころか成人後の日常生活に影響を及ぼす事もあります。 20歳代にも関わらず、変形性肘関節症になってしまわれている方も珍しくありません。 また手術に至るのは野球肘全体から見ますと数パーセントなのですが、どなたであっても手術は避けたいと思うのが当然です。 (もちろん野球肘の中には野球どころか日常生活への影響がある症状もあります。)

 

野球肘は初期に発見し適切な処置などを実施する事によって、本来原則的には完治するものなのです。 ところが現実では多くの場合、土日の投球時に痛みなどの症状が出るものの、平日の間で自覚症状が少なくなってしまう。→土日に投げると再び痛む。→平日の間に自覚症状が無くなる。→またまた土日に投げる→これを繰り返す。 一時的に痛みなどの症状が発生しても平日のノースローで症状が軽くなってしまい、その事で受診するタイミングを逃したり遅らせてしまったりする。 その結果、受診時には悪化していたりこじれてしまったりしている。 この様なケースが実に多いのです。

 

肘に痛みなどの症状が少しでもあれば、様子を見るような事はせずに、出来るだけ早い時期に医療機関(できれば野球肘に詳しい施設)に掛かってください。 投げ初めもしくは終わりだけに症状が出る場合も同様です。 野球肘は甘く見られがちですが、決してそのような事はありません。 少しでも症状があれば、積極的に医療機関に掛かるようお願い致します。

院長 吉村真治